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他人にけがを負わせてしまった・・・どうしよう・・・
他人にけがをさせてしまった場合、当然、けがを負わせてしまったのですから、あなたも責任を負うことになりそうです。

ただ、あなたが故意にけがを負わせたのか、あなたが過失によってけがを負わせて相手にもけがを負ったことについて過失があるのか否かによって、あなたの責任の度合いは異なります。

他人にけがをさせてしまった場合のことを、法律のルールでは「不法行為」といいます。そして、この不法行為については民法第709条に規定されています。

不法行為というのは、他人の権利や利益を侵害して損害を与える行為のことで、不法行為はあなたに故意又は過失があれば成立します。もし、あなたに過失がなければ不法行為は成立しません。つまり、あなたの行為によって他人がけがをしたけれども、あなたの行為自体に過失がなければあなたは責任を負わないかもしれませんが、実務的には正当防衛を除いて、あなた自身に過失が全くないことを証明することは難しいと言えそうです。正当防衛とは、相手があなたに危害を加えようとして、その危害をあなたが避けようとして、避けようとした行為が結果的に相手にけがを負わせてしまった場合です。ただ、正当防衛と言えども、その防衛行為が過剰であると認められると、あなたも不法行為責任を負うことになるかもしれません。

あなたが他人にけがを負わせた場合は、迅速にことを進める必要があります。法律上では、あなたの不法行為による相手方の損害賠償請求権は不法行為と同時に発生し、それ以降は履行の遅滞による不法行為とは別の新たな遅延損害請求権が発生するからです。

あなたが他人にけがを負わせた場合は、,修了実関係をしっかり検証し、検証事項をルールに当てはめていくのですが、この時に問題になるのが互いの過失割合です。互いが自身の責任を過小評価していると、話し合いはまとまりません。

例えば、車と自転車の衝突事故で、車が適正と言える運転を行っていたにも関わらず、自転車が信号無視したことで、衝突に至ったようなケースで、自転車の方が「車は危険な乗り物なんだから車が9割の責任を負うべきだ」と主張しても、こういった論理は通りません。たしかに、一般通念上、車側は過失割合が高くなるのは事実ですが、この事実は相手が自転車や歩行者であったとしても、その自転車や歩行者の過失の度合いが低いことが前提です。自身が信号無視という重い過失又は故意と考えられる行為があったにも関わらず、その責任の多くを車側に主張しても通りません。

交通事故のようなケースでは多くの事例について想定される過失割合がありますので、その過失割合を被害者も加害者もしっかり受け止めて、問題の解決に向かうことが最重要です。ルールとはかけ離れた主張は、場合によっては単なるクレームとなり、単なるクレームを過度に行うと、そのクレーム行為自体も損害賠償請求の対象となりうることがあります。

一般通念上、比較的小さな事故等の不法行為は、あっさりと示談で済ませることが多いのですが、加害者の方は示談後も少なからず不安を持たれることがあります。それは、示談したことにも関わらず、後々に追加の請求をされないだろうかということです。

基本的には、適切に示談を完結したのであればあまり心配しなくても良いでしょう。適切に示談を完結するというのは、けがを負わせたのであれば、きちんと病院で診察していただいて診断書を取ってもらい、その診断書の内容に基づいて入院費用、通院費用、慰謝料を過失割合の範囲で決定し、お休みした分について休業補償を行ったとか諸々です。

少し、交通事故中心の話題になってしまいましたが、不法行為があれば加害者も被害者もルールにはずれた主張は、避けるようにしましょう。特異なケースを除いて。

なお、不法行為による損害賠償請求権がなくなってしまう時効は、損害及び加害者を知ってから3年です。

・・・この先のお話はまたいつかどこかで。


著者: 今本聖明
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