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借地権の買い取り
今日は借地権についてお話したいと思います。

若い世代ではマンションやアパートを賃貸したり、年収が上昇する少し上の世代でも分譲マンションや一軒家を所有する人が多いとは思うのですが、高齢の世代になると、土地を借りてその上に自分の建物を建てて住んでいるという方が結構いらっしゃいます。

借地権とは、建物を所有することを目的とする賃借権や地上権のことを指すのですが、今日のお話は土地の賃借権に限定ます。

土地を借りていると、その契約の更新や契約内容の変更(主に賃料の値上げ)のことが何十年に一度話題になります。なぜ何十年に一度かというと、借地権の期間が長いからです。現行法の「借地借家法」でも、最初の契約期間は最低30年以上、1回目の更新で20年以上、2回目の更新以降は10年以上と決まっています。この年数より短い期間は設定することができません。また、平成4年7月末日まで適用のあった旧法である「借地法」でも、20年以上(建物の構造や期間を定めなかった場合により異なる)とされてました。だからなんですね。

借地権の更新や契約内容の変更と同じくらいに、話題になるのが借地権の買取です。

先述しましたように、借地権を設定している方は高齢の世代に多く、その高齢者の方が亡くなると相続の問題が生じます。その時に、「借地権をどうしようか。その上の家をどうしようか。」ということになるわけです。相続人のどなたかがその借地上の建物に住むのであれば、あまり悩むことは少ないのですが、問題は借地上の建物に住まない場合です。

住まなくても借地契約を継続状態にありますので、相続人は地主さんに賃料を支払う義務があります。そんなのもったいないので、建物を借りてくれる人を探すかもしれませんが、その家が古ければ借り手もそう簡単に見つかりませんし、借り手も借地上の建物を借りることを敬遠する傾向にあります。

建物を一旦相続して、その建物を他人に譲渡することも検討に値する材料でしょうが、相続人は借地権の価値も含めて建物を売りたいと希望するので、買い手が見つかりにくいことは必至でしょう。

このような事情背景もあること、相続人自身が相続財産をすっきり清算しておきたいという気持ちが働くことも相まって、【借地上の家の取り壊し+借地権の買取】の方向に向かいます。

では最初に借地権の価値について考えてみます。

税法上では、借地権の評価額は次のように算出します。

【借地権の評価額=自用地評価額×借地権割合】

自用地評価額は税務署が定めた路線価で算出し、借地権割合はその土地の最寄りの税務署で調べることができます。ただ、この計算式で算出された借地権の評価額は絶対的なものではありません。むしろ、不動産取引上では、借地権の評価は相対的であると考える方が妥当です。

なぜなら、土地の借主さんがその借地権を他の誰かに譲渡するためには、原則、地主さんの承諾が必要ですし、地主さんに借地権の買取を請求することはできません。つまり、借主さんが税法上の借地権の価値で借地権を手放そうしても地主さんがうんと言わないと難しいということです。

地主さんが借地権を積極的に買い取りたいという意思や事情があれば別ですが、そのような状況は多くありません。そうなると、借主さんは土地を借り続けなければなりません。借り続けるということは、地代を払い続けるということです。

こう考えると、税法上の借地権の価値は、土地の借主さんがこの先も土地を必要として借り続けることを前提に、その権利の算出されていることが分かります。

しかし、借主さんにとって借地権が不要になったり、又は負担になったりする場合は、税法上の借地権の評価額は妥当ではなく、借地権の本当の価値の決定は、地主さんが考える価値と借主さんが考える価値のすり合わせによります。このすり合わせにおいて借主さんは税法上の評価額にこだわってはいけませんし、地主さんも買い取りたい事情があるのであれば無償の買取にこだわってはいけません。まとまりません。

・・・この先のお話はまたいつかどこかで。


著者: 今本聖明
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家を借りるときのルール
一戸建ての家を借りるとき、マンションの一室や事務所を借り時には、借地借家法といるルールが適用されることはご存知ですか?

まあ、ほとんど不動産仲介業者さんにその手続きをお願いするので、建物賃貸借契約書をよく検討される方はあまりいないと思います。

でもよく考えてみてください。仲介業者さんはあなたの味方では決してないんですよ。「仲介」だからということで、中立的な立場と勝手にイメージしてませんか?

仲介業者さんが宅建業務を行う際には宅建業法というルールの規制がありますが、貸主に有利な契約で仲介してはダメとはなってません。建物の貸し借りだけではなく売買のときも同じ考え方です。

人の信頼関係は互いを信じることからはじまりますので、相手を信じることはきわめて重要だとは思いますが、あとで後悔しないためにも、建物を借りるときのルールを知って自分でしっかりと納得して、分からないことは聞いてみることが大切でしょう。でも、ルールを知らないまま自分の思い込みで話をすると信頼関係を壊すこともありますので、場合によっては外部の専門家を活用することも必要でしょう。費用は余分に要するでしょうが、費用以上のよい助言を得ることができることもありますし、あなたが何を重要視するかでその価値は変わります。

建物を借りるときの期間は2年〜5年契約+更新の条項が多いので、期間自体が問題になることは少ないですが、特異なケースもありますので少し触れておくと、期間の設定は自由です。期間を定めない規定もOKですし、20年を超える期間OKです。ただ、1年未満の期間を定めた場合は、期間の定めがないとして他の条項の適用があります。

例えば、期間の定めがない契約の場合は、期間の定めがある契約と比較して、更新の適用条項が異なります。

期間の定めがある契約の場合は、貸主が、期間満了の1年前から6か月前に、更新拒絶又は賃貸借契約の条件の変更を認めなければ更新しない旨の通知をしなければ、前の契約と同じ内容で自動で更新します。

また、期間満了後、賃借人が建物の使用を継続し、これに対して賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ、前の契約と同じ内容で自動更新します。

ただし、更新後の存続期間については、期間の定めがないものでの更新です。賃貸人が更新を拒絶等するためには正当な理由が必要です。

次に、期間の定めがない場合を説明しようと思いましたが、続きは、またいつかどこかで。


著者: 今本聖明
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