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健康食品の原料を販売する際の広告表現で重要になる通知
ヒントは薬事法等の法令にあることはもちろん、厚生労働省の通知にもあるのだけれど、新しい気付きとして、平成10年9月29日医薬監第148号厚生省医薬安全局監視指導課長通知の「医薬品等の広告三原則」の考え方が重要であることが分かったので、ここに記録として残します。

詳細な説明は、いつか時間のある時に記してみたいと思います。



≪平成10年9月29日医薬監第148号厚生省医薬安全局監視指導課長通知≫

医薬品等の広告に係る監視指導については、薬事法第66条から第68条までの規定に基づき実施しているところであるが、近年、新聞、雑誌、テレビ等の従来の広告媒体に加えインターネットが普及しつつあり、情報伝達経路の多様化、国際化が進捗している。また、医薬品等がいわゆる「個人輸入」により国内に輸入され、その輸入手続きに介在する輸入代行業者の広告の中にも医薬品等について取り扱われている状況が散見される。

薬事法における医薬品等の広告の該当性については、かねてより、下記のいずれの要件も満たす場合、これを広告に該当するものと判断しているので、ご了知の上、今後とも薬事法に基づく広告の監視指導について、よろしくご配慮を煩わせたい。



1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
2.特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
3.一般人が認知できる状態であること


著者: 今本聖明
薬事法と健康食品事業 comments(0) trackbacks(0)
ホメオパシーで用いられるレメディは医薬品か?
年末も近づいてきました。

この時期になると来年の準備に向けて,当事務所では資料の整理を行います。

資料の整理をしていると、数年前、当事務所に相談いただいた「ホメオパシー」の資料が出てきました。

ホメオパシーの定義や歴史の説明はここでは省略して、ホメオパシーで使用される「レメディ」が、「医薬品的な効能効果」を目的としているのか否かについて、日本の薬事法に沿って少し考えてみます。外国での使用状況や外国の薬事法等については考慮しません。

「もの」が医薬品的な効能効果を目的としているか否かは、「もの」についての成分や広告表現、剤型、用法、用量等を勘案して判断します。

日本薬局方や医薬品リスト(以下「リスト等」という)に掲載されている成分を含むと、原則、医薬品となります。

ただし、薬理作用が期待できない程度の量で、着色や着香等の目的で使用されている場合は、リスト等に掲載されている成分が含まれていても、医薬品とならないことがあります。

例えば、キナの皮から抽出した成分を含むレメディがあります。CHINAと言われるものです。キナの皮はリスト等に掲載されています。レメディに含まれる成分を全て詳細に確認したわけではありませんので、全てのレメディに含まれる成分については言及しません。

レメディに含まれる成分は極めて微量です。「量」という意味では、薬事法が想定している薬理作用が期待できない程度の量なのですが、レメディはこの極めて微量の成分で作用することを目的としています。そもそもレメディに含まれる成分は極めて微量のため、薬事法の「成分」に該当するのかについては明確ではありません。

したがって、薬事法の「成分」という視点では、レメディが「医薬品」であるという明確な結論を導き出すことは困難であると考えます。

次に、薬事法の「広告表現」という視点で考えてみたいと思います。

「明らかな食品」や「許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品」を除いて、「医薬品的な効能効果」を広告表現で用いると、その「もの」は「医薬品」となります。

レメディは一般的に極めて微量の成分を含んだ砂糖玉(「金平糖」とも言います)を指します。そして、販売業者等は「医薬品的な効能効果」を謳ってレメディを販売等します。原則論に沿って考えると、レメディは「医薬品」となります。

しかし、レメディが「明らか食品」であれば、レメディは薬事法の「医薬品」となりません。この意味において、レメディが「明らかな食品」に該当するか否かを検討することが重要です。

「明らかな食品」の考え方を理解するには、昭和62年9月22日薬監第88号厚生労働省通知や、食品安全委員会が2004年7月に公表した「新開発食品の安全性評価の考え方」がヒントになります。

昭和62年9月22日薬監第88号厚生労働省通知では、次のとおり記されています。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ココから↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

(1)通常の食生活において、その物の食品としての本質を経験的に十分認識していて、その外観、形状等より容易に食品であることがわかるものは、その物の食品としての本質に誤認を与えることはないため、通常人がその物を医薬品と誤認するおそれはない。

したがって、医薬品の目的を有するものであるという認識を与えるおそれのないこのような物は、医薬品に該当しないことは明らかであり、その成分本質(原材料)、形状、効能効果、用法用量について個々に検討し、後述する「判定方法」に従って判定するまでもない。通知本文中のただし書はこの旨を明記したものである。

(2)その物がここでいう「明らかに食品と認識される物」に該当するか否かは、食生活の実態を十分勘案し、外観、形状及び成分本質(原材料)からみて社会通念上容易に食品と認識されるか否かにより判断するものである。

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ココまで↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑


レメディを利用する消費者は、その「レメディ」に医薬品的な効能効果を期待して、「砂糖玉」を摂取します。一方、販売業者等もレメディに「医薬品的な効能効果」を期待して、レメディを販売します。

このことから「通常の食生活において、その物の食品としての本質を経験的に十分認識している」とは言い難いと言えます。

「明らかに食品である」と判断するには、ヽ梓僂箏曽で容易に食品と分かる」のみならず、◆嵜品としての本質を認識できること」が要求されています。

レメディという砂糖玉は、その外観や形状で容易に食品と分かるので,陵弋畛項を満たしますが、△痢嵜品としての本質を認識できること」との要求事項は満たしません。

このことから、レメディは「明らかな食品ではない」という結論が導き出されます。

さらに、レメディは「明らかな食品ではない」こと、「医薬品的な効能効果」を標ぼうしていることから、剤型、用法、用量等を検討するまでもなく、薬事法上の「医薬品」に該当すると言えるでしょう。

以上、「レメディ」が「医薬品的な効能効果」を目的としているのか否かについて日本の薬事法に沿って考え、一つの結論を得ました。

よって、医薬品的な効能効果を謳う(広告表現する)レメディを、薬事法上の承認や許可を得ずに製造販売等する行為は違法であると考えます。

ただし、レメディについて医薬品的な効能効果を謳わない場合、医師が治療に際してレメディを使用する場合は、薬事法とはまた別の要素を含む問題です。

また機会があれば続きを記してみます...。


著者: 今本聖明
JUGEMテーマ:健康
薬事法と健康食品事業 comments(0) trackbacks(0)
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